
単調な針葉樹の育林法に比べて、多様な広葉樹の育林法については、樹種毎の成長の仕方も、生育適正環境もまちまちであるため、現在でも有効な情報が少なく、手探り状態にあります。
長年の研究成果に基づいて独自に考案した「広葉樹材質形成理論」で専門的なアドバイスをいたします。
針葉樹造林に比べて、現在でもほとんど経験則以外に有効な情報が少なく、手探り状態にある多様な広葉樹の森林づくり(雑木林づくり)。
現在でも手探り状態にある広葉樹の
- ●有用材林育成
- ●カーボンシンク機能林育成
- ●生態修復用の環境林創生に適した樹種選び
- ●生育特性
- ●生育特性に合った施業・管理方法など
温帯産広葉樹だけでなく熱帯産早成樹や砂漠緑化樹などの多様な広葉樹の材質形成に関する長年の研究成果に基づいて独自に考案した「広葉樹材質形成理論」に基づき専門的なコンサルティングをいたします。
これまでの情報では満足できない方、あるいは最新の広葉樹の材質形成に関する知見をお探しの方は、まずお気軽にお問い合わせください。
従来、森を育てるといえば針葉樹林の造成とその育林技術しかありませんでした。
当研究所がお勧めする広葉樹材質形成理論は、多様な広葉樹の樹幹の成長特性(成長パターン)から樹幹材質が推定できるという原理を応用しようとしているところに特色があり、他に類例の実践的理論として比較できるものはありません。

樹種毎の材質変動特性から導き出された「広葉樹の材質形成理論」は、広葉樹で有用材を生産しようとお考えの方や、広葉樹の材質育種について更に深く理解したいと思っている方にとっては、実践的育林の理論的裏づけとなるでしょう。
この理論は、多くの種類の広葉樹林木の材質指標の変動特性に関する地道なデータ収集の末に辿り着いた実際理論であるため、広葉樹の樹種別にその材質がどのようにして一人前になる(成熟する)かがよく分かり、それによって広葉樹をどのように育てればよいかが理解できる筈です。
この理論の習得には広葉樹材質育種コンサルティングサービスをご利用ください。

2000年代になって、若い材質の現在研究者(土屋竜太氏)によって『材質形成理論(仮説)』を提案できるまでになりました。この理論はさらに進化しつつあります。
人間が成人(二十歳)になると一人前になるように、樹木にも成長の過程で一人前になる時期があります。
「樹木の一人前」とは、幹材部の性質(材部の強度的性質や寸法安定性や紙・パルプとした時の性質などをひっくるめて『木部材質』、あるいは『材質』)が安定することです。
一般に、幼少な樹木の材質は不安定で、まだ一人前とは言えませんが、発芽してから20年くらい経つと、その材質も一人前になります。これを材質の『成熟化』といいます。
スギやヒノキのような針葉樹類の材質の成熟化現象についてはよく研究されていて、それを応用した育林の方法や林木の管理施業法、さらに材の加工利用の方法までもが、針葉樹の人工林木ではおおよそ確立されています。ニュージランドのラジアータパインの人工林の経営をみれば、誰もが納得できるでしょう。
ところが「広葉樹」においては、いつごろ材質が成熟するのか、またしないのかといったごく初歩的なことから、施肥や除間伐(整理伐)などの施業が必要なのかどうかといったことについても、ほとんど情報のない状態です。
当研究所は、広葉樹の材質形成過程を樹種別に、樹幹内部において丹念に追跡調査したデータを保有しており、これを基にして、非破壊的な方法で樹幹材質の成熟時期を判定できる画期的な方法を考案しました。
この方法を『広葉樹材質形成理論』と名づけ、広葉樹による有用材生産を始め、材質の安定した広葉樹景観木の管理や広葉樹林の創生に活用したいと考えています。
この理論は樹幹径の変化から樹幹内部の材質成熟時期を推定できるところに特長があります。
この理論をマスターすれば、有用広葉樹の育成に役に立つばかりでなく、広葉樹の材質形成特性(個々の樹種の個性)に合わせた施業方法も考えることができるので、広葉樹による景観計画(環境林整備)や用途・目的にかなった有用広葉樹林づくりに有益であろうと考えています。
今後、この理論を更に一般化した新理論を提案する予定です。
広葉樹研究は、1980年代初頭から2000年代にかけて、鳥取大学蒜山演習林をフィールドとして精力的に展開された鳥取大学独自の研究取組みです。
これを率先推進したのは鳥取大学名誉教授岸本 潤先生です。当研究所代表の古川も、この動きに触発されて、自分の専門領域で何か取り組めることはないかと考えました。それが、当時はまだほとんど手がつけられていなかった『広葉樹の材質研究』です。
その頃、この分野の基礎的なデータは国の林業試験場(現 森林総合研究所)に豊富に蓄積されているようでしたが、それを広葉樹の材質育種のための材質指標あるいは材質形成へと応用する気運はまだ成熟していないようでした。そこで、古川研究グループは精力的に広葉樹の材質に関わる基礎的データを収集・蓄積し、これを『広葉樹の材質形成や材質判定』に応用することを試みてきました。
広葉樹材質研究は、現在ひとつのレベルに達したと考えています。これからは、この理論を広く林業、とくに広葉樹林の育成のお役に立てたいと考えています。
| 年度 | 研究内容 |
| 1981年 | 古川郁夫・松本恵美子・作野友康・岸本 潤: 小径広葉樹の材質(第1報)、コナラ・クヌギの繊維長の樹体内変動、 木材学会誌、27(6)、pp.507-511 |
| 1983年 | 古川郁夫・世古口昌子・松田雅子・作野友康・岸本 潤:小径広葉樹の材質(第2報)、小径広葉樹71種の繊維長および道管要素長の水平変動、 広葉樹研究 第2号、 pp.103-134 |
| 古川郁夫・中山秀樹・作野友康・岸本 潤:小径広葉樹の材質(第3報)、層階状もしくは非層階状構造をもつ樹種の繊維長および道管要素長の水平変動、 鳥取大学農学部研究報告、第35巻、pp.42-49 | |
| 1985年 | 山田希仁・作野友康・古川郁夫・岸本 潤:小径広葉樹の材質(第4報)、ニセアカシアにおける繊維長の樹体内変動、 広葉樹研究 第3号、 pp.107-120 |
| 1987年 | 古川郁夫・橋詰隼人: クヌギ壮齢木の材質に及ぼす施肥および整理伐の影響、 木材学会誌、33(6)、pp.443-449 |
| 橋詰隼人・古川郁夫・作野友康・大森裕司:ケヤキの利用材積と材質について、 広葉樹研究 第4号、 pp.49-59 | |
| 1989年 | 古川郁夫・福谷・岸本 潤:ヤキ樹幹内の材質変動特性-年輪幅、繊維長、道管要素長、気乾比重、縦圧縮強度の水平変動-、 広葉樹研究 第5号、 pp.197-206 |
| 1990年 | 石原 肇・古川郁夫・橋詰隼人・作野友康・岸本 潤:馬角マツに関する研究(Ⅱ)-老齢大径木の材質変動について-、 鳥取大学演習林研究報告、第19号、pp.1-10 |
| 1992年 | 川上敬介・古川郁夫:海岸砂丘クロマツ枯損木の年輪幅及び仮道管長の水平変動、鳥取大学農学部演習林研究報告第21号、pp.153-159 |
| 1996年 | 石井利典・古川郁夫・大平智恵子:鳥取県産スギ一般材の縦圧縮強度性能の評価、 鳥取大学演習林研究報告、第24号、pp.65-71 |
| 1998年 | 山下力也・古川郁夫:スギの木部材質の成熟化について、 鳥取大学演習林研究報告、第25号、pp.29-38 |
| 古川郁夫・石井利典:機械等級区分されたスギ一般材中における仮道管長の変動と未成熟材の分布、 鳥取大学演習林研究報告、第25号、pp.39-44 | |
| 藤田典子・古川郁夫:コナラの木繊維および道管要素の長さに及ぼす異常気象の影響、 鳥取大学演習林研究報告、第25号、pp.45-51 | |
| 2000年 | 黄 栄鳳・古川郁夫: 2種の中国乾燥地ポプラ造林木の道管要素長と木部繊維長の水平変動、 木材学会誌、46(6)、pp.495-502 |
| 2002年 | 井上真吾・古川郁夫:中国乾燥地ポプラ造林木の肥大成長と二次木部内結晶分布との関連性、鳥取大学演習林研究報告、第27号、pp.39-51 |
| 2003年 | S. Yang・I. Furukawa:Anatomical Features of a Rayless Woody Xerophyte Haloxylonammodendron、Sand Dune Research 、49(3)、pp.99-104 |
| S.Yang・I. Furukawa・S. Katagiri・Y. Okuyama:Wood Anatomy of Tamarix austromongolica and T. chinensis from an Ecological Perspective、 Sand Dune Research 、50 (1)、pp.23-29 | |
| 斉 錦秋・古川郁夫:中国半乾燥地産樟子松の肥大成長と仮道管長との関連性、 日本砂丘学会誌、50(2)、pp.67-73 | |
| 2005年 | 斉 錦秋・古川郁夫:中国半乾燥地産アカマツと日本産アカマツの年輪幅と仮道管長の水平変動、日本砂丘学会誌、52(2)、pp.37-42 |
| K. Honjo・I. Furukawa・M. H. Sahri:Radial variations of fiber length increment in Acacia mangium、IAWA Journal、26(3)、pp.339-352 | |
| R.Tuchiya・I. Furukawa:Xylem rays development of 15 Japanese Hardwoodds、 Abstracts 6th Pacific Region Wood Anatomy Conference、p.114、Kyoto、Japan | |
| 2007年 | 土屋竜太・古川郁夫: コシアブラ(Acanthopanax sciadophylloides)の道管要素ならびに放射組織のサイズと分布の樹幹内における水平変動パターン【平成19年度木材誌論文賞受賞】 木材学会誌、50(4)、pp.180-186 |
D. Wang・I. Furukawa:Radial Variations of Vessel Element Length and Wood Fiber Length of Elm Trees Grown in China Desert、 Sand Dune Research 、 54(1)、pp.9-16 |
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| 2008年 | D. Wang・I. Furukawa:Dendroclimatological studies of elm trees grown in China Desert、Sand Dune Research、 54 (3 )、pp.139-146 |
| 土屋竜太・古川郁夫: クリ材における木部繊維長および孔圏道管内腔径の水平変動と肥大成長段階との関連性、木材学会誌、54(3)、pp.116-122 | |
| 2009年 | Tsuchiya, R.・Furukawa, I .:Radial variation in the size of axial elements in relation to stem increment in Quercus serrata., IAWA Journal, Vol.30 (1), pp16-26 |
| 土屋竜太・古川郁夫: ポプラ造林木における管状要素寸法の水平変動と肥大成長段階との関連性, 木材学会誌, 日本木材学会, (印刷中) |
| 年度 | 著書内容 |
| 1994年 | 古川郁夫(分担):木材科学講座2組織と材質、ISBN4-906165-53-2、第5章4節 壁の特徴的な構造、pp.103‐108、第6章2節 樹幹内変動、pp.113‐118、古野 毅・沢辺攻 編、海青社、大津 |
| 1998年 | 古川郁夫(分担):広葉樹の育成と利用、ISBN4-906165-58-3、第5章1節 広葉樹材の識別と材質、pp.101-108、鳥取大学広葉樹研究刊行会編、海青社、大津 |
| 2000年 | I. Furukawa(分担):New Horizons in Wood Anatomy、ISBN 89-7598-210-6、The Influence of Water Deficiency on the Formation of Wood Fiber of Caragana korshinskii planted in the China Deserts、 pp.138-144、 Ed. By Y.S.Kim、Chonnam Univ. Press、Kwangju、Korea |
| 年度 | 著書内容 |
| 1987年 | 「未利用広葉樹材の材質特性」(分担)、pp.60-67、「広葉樹林における未利用資源の広域循環的利用に関する基礎的研究」、1985・1986年度科学研究費補助金(一般研究A)、研究成果、 報告書(代表 岸本 潤)、pp.1-81 |
| 1989年 | 「馬角マツの材質と価格」(分担)、pp.35-52、「森林遺伝資源の保全と長伐期施業に関する基礎的研究」、1987・1988年度科学研究費補助金(一般研究C)、研究成果報告書(代表 橋詰 隼人)、pp.1-52 |
| 1992年 | 「木材組織破断面の3次元解析」(分担)、pp.134-145、「木材および木質原料の形態計測と材質評価」、1990-1991年度科学研究費補助金(総合A)、研究成果報告書(代表 佐道 健) |
1999年 |
「アジア地域の耐乾燥性樹木の材質特性に関する研究」(研究代表者 古川郁夫)、 Characteristics of Wood Quality of Woody-Xerophytes grown in Asia: Some leguminous woody-Xerophytes planted in China deserts(英文)、pp.163-167、 (財)田部アセアン謝恩財団研究助成、研究論文集(和文)、pp.19-22 |
| 2004年 | 「木材資源としての砂漠緑化樹木の材質評価」、2001-2003年度科学研究費補助金(基盤研究C(2))研究成果報告書(代表 古川郁夫)、pp.1-67 |
図6-2
道管要素長の水平変動パターンには3つのタイプがあり、このパターンが一定の値を示すところで材質は安定すると考えられている。
上の図は幹の肥大成長(半径成長)曲線を、下の図は道管要素長(EVEL)、木繊維長(WFL)、道管直径(EVLD)の水平変動曲線を示す。肥大成長が最大となるところ(t1)もしくは、平均肥大成長が最大となるところ(t2)が材質の安定するところと考えられている。

